ひたちなか商工会議所での講演会

12月7日のひたちなか商工会議所様での講演会が無事に終了しました。今回は、知名度のない中小企業あるいは町工場が、いかにして顧客のスイッチを入れるか、中小に適した戦略とは何か、といったテーマについて過去の事例も踏まえて、できるだけかみ砕いてお話しさせていただきました。「実体験を交えた提案は、大変貴重であり参考になりました」「単純なことですが、今後に活かせる部分がありました」といった感想をいただき、とても嬉しく思いました。

私の側でも大変勉強になりました。特に講演会後の交流会と翌日の企業訪問では、皆様の悩みや課題についても突っ込んだお話をうかがうことができ、とても参考になる情報や事例を知ることができました。

今回、皆様が抱えられる問題のひとつはスピードだと感じました。実際、今回訪問させていただいた企業様の一社によれば、ある業者の不手際によりアポ取りの予定がずいぶんずれ込んでしまっているとのことでした。

確かに私は講演の中で、海外営業のための準備の大切さをお伝えしました。それとは矛盾するかも知れませんが、準備はし過ぎないことも大切です。アタック予定リストの作成やフィージビリティスタディに膨大な時間をかけても、実際にアタックしてみたら、全く求められているニーズと違っていたとか、あるいは製品としてがっちりと仕様を固めてからアタックしてみたら、これもまたニーズと完全にずれていたといったことにもなりかねません。つまり、入念な調査に基づいて一見完璧と思われる製品を持ち込んでも、現地ユーザーからユーザビリティの観点で指摘や不満が出たり、あるいは、最悪全く売れないといったことだってあり得ると思います。

であればアタックを先にして、そこからニーズを正確に察知し、更なるアタック先の選定や、その後の製品開発にどんどん生かして行ったり、既存の製品を修正していく方が早く、正確で、無駄がない場合があります。

準備が入念すぎると、その間に競合技術がどんどん台頭してくる恐れがあることも問題の一つです。

相手と技術の話はできますか?という質問もいただきましたが、全く問題ありません。私は何でも知っていなければならず、全ての質問に答えなければならないとは思っていません。そんな人は、いれば素晴らしいことですが、見つけるのはたやすいことではありません。もちろん交渉に先立って事前に学習やシミュレーションをしてのぞむわけですが、分からないこと、答えられないことは恥ずかしいことでもなんでもないと思っています。決して無責任な意味ではありません。大切なのは販売しようとする製品の有用性を相手に理解させることであって、一時的にディスカッションがストップして、相手や、あるいはこちらサイドの技術者に確認を求めたりすることは、相手の意欲を一切妨げないと信じるからです。もちろんあまりに稚拙な準備不足はいけないとしても、そういった場面で逃げずに向き合うひたむきさが逆に高く評価されることだってあるのです。

私が過去にある機械を海外の大企業に販売したとき、技術ミーティングの最後に、相手の購買部長から「この2日間、ボクサーのように戦い続けたこの男を賞賛しよう」と言っていただいたことがあります。技術者でない人間が必死に食らいついて行ったことが、むしろ評価されたのでした。

この点でも、同じく万端にし過ぎる意味はないと私は思います。できる準備はする。だけどし過ぎずに思い切って動いてしまって、動きの中で見えてくるものに対応していくことが大切だと思います。どんな製品を売るかにもよりますが、良い製品の定義をこちらで決めてしまわずに、相手に決めさせても良いわけです。

他の支援業者さんのお話などもうかがう中で、私は生粋のアタッカーなのだと思いました。彼らがレポートやらリストやらに数ヶ月もかけている間に、私は何らかの顧客との接点を持ってしまうと思います。もちろんクライアント様の製品力ありきのところはありますが、私の得意分野を生かしてくださるクライアント様との出会いを大切にしたいと思います。

 

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