取引通貨のリスクについて

グラビティが支援していますクライアント様の中に為替損益を出さないよう、全ての取引を対して円建てとしているお客様がいます。特に最近の保護主義の台頭に伴って為替リスクが増大している中で、円建てで輸出できることは大きな強みです。

ですが最近、とてもイレギュラーなケースが発生しました。見積から発注までは円建てで進んでいたのが、注文が決まった直後に、相手が急にドル建てにして欲しいと言ってきたのです。

発注時、船積時、納品後の三回に分けて支払われる中で、そのいずれかの支払い時にドル円レートが円高に大きく振れた場合、為替損失を生じるリスクが出てきました。そこでドル建て価格で金額を出し直すわけですが、こちらは販売側が安全と考えるレートで換算するわけですから、相手は猛反発です。なぜこんなに高くなるんだ!現状の為替レートを見ても、過去1ヶ月のレートを見ても、こんな価格になるわけがない!というわけです。

そこでこちらも、きっちり根拠を示して抗弁します。

  • 想定為替レートの採用は輸出企業としては常識であること。
  • 輸出企業がドル建て価格を提示するとき、想定レートの話をしないだけであって、輸出入品の大半が想定レートに基づいた取引となっていること。
  • 年末のシンクタンクの調査では、日本の上場企業の4割が想定為替レートを100円に設定しており、現時点の110円程度(2月半ば現在)から開きがあるのは当然であること。
  • トランプ大統領による日銀の円誘導への批判、ブレグジットに見られる世界情勢のリスクから、逃避通貨である円が円高方向に振れる懸念は極めて強いこと。

その約一週間後、こちらの主張が全面的に認められ、こちらの主張するレートで換算した金額が振り込まれました。もしこれが認められなかったら、いずれかの分割決済で損失を生じていたかも知れません。正当な根拠に基づく抗弁はとても大切で、そういった主張は臆することなく、はっきりと言わなければなりません。

グラビティで提供するサービスは、単なる翻訳や通訳を超えた総合的な支援です。交渉の最前線に立つこともあれば、ノウハウで後方支援することもございます。ぜひご活用いただければと思います。